悪い姿勢が「生理的彎曲」を乱す

内臓にも背骨にも 特別な異状がみつからないのに起こる腰痛を、現代医学では「静力学的腰痛」といいます。
このように客観的な原因が明らかにできないにもかかわらず 腰痛だけがある場合には、「腰痛症」と診断し、他の病気と区別しています。
腰痛症をひき起こす原因には、悪い姿勢や太りすぎ、運動不足による筋力の低下といったことが考えられますが、最も多いのは、悪い姿勢です。
背筋をピンとのばした状態で、首が少し前にそり、背中は軽くうしろにそり、腰は軽く前にそるという姿勢をとっていれば背骨が「生理的彎曲」の状態に保たれるので、腰によけいな負担がかかることがありません。
ところが、腹ばいになったり、乗り物の中で立ったまま本を読む、椅子に浅く腰をかける、無理な姿勢で仕事をすると言ったことを続けていると、背骨の自然なカーブにだんだん歪みができてしまいます。

●腰椎椎間板ヘルニア
腰から足先にかけてしびれや痛みがあります。
椎間板が後方に飛び出して神経を圧迫した結果起こるもので、原因としては、予想以上に強い力が背骨にかかった、もしくは年齢により椎間板そのものが老化変性したことなどが考えられます。
●脊椎圧迫骨折(骨粗鬆症)
高齢者は尻もちを付いただけでも背骨がつぶれる場合があります。
骨粗鬆症とは、骨からカルシウムが抜けて骨の量(骨量)が減り、骨が軽石のようにスカスカになった状態のことです。
高齢者、特に60歳をすぎた女性は、骨量が急に減り始め、骨がもろくなってきます。
そのため、ちょっと尻もちをついたくらいの軽微な衝撃で背骨がつぶれてしまい、背中や腰の痛みが急に出現します。
●腰椎分離症/腰椎分離すべり症
若いスポーツマンに多い病気です。
背中を後ろに反らせると腰痛を訴える人がいます。
その人の腰をレントゲン撮影してみると、腰椎の後方部分(椎弓)に亀裂があります。 これが「腰椎分離症」です。
●椎間板性腰痛
椎間板の老化によって起こります。
椎間板は年齢とともに老化していきます。
老化した椎間板はひび割れが起こり易く、神経が刺激され腰痛を感じるようになります。
●椎間関節性腰痛症
中年以降に多い腰痛です。
朝起きようとすると腰が痛くてなかなか起き上がれないが、昼間になって体を動かすうちに、あまり痛みを感じなくなります。
腰椎の関節が炎症を起こして、痛みが生じているのです。
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