六君子湯
りっくんしとう

六君子湯(りっくんしとう)は、中国明時代の漢方書「万病回春」補益門項に記載されている胃腸虚弱者に用いる薬方です。 平素より胃腸が弱くアトニータイプ(胃下垂や胃アトニーなど)で、食欲が少なく、食事を取ると腹が張りすぐ眠くなる状態、悪心、嘔吐があり、疲れやすく、貧血気味で手足の冷えやすい症状が見られる人に使われます。

人参4.0、半夏4.0、白朮4.0 茯苓4.0、大棗2.0、陳皮2.0 甘草1.0、生姜0.5

 補気健脾の人参・白朮・茯苓・炙甘草・大棗と和胃降逆の半夏・生姜・陳皮からなり、脾と胃の両面に配慮した構成で、和胃気虚に対する基本方剤である。理気化痰の半夏・陳皮・生姜と利水滲湿の白朮・茯苓の配合があるところから、痰湿を除去する効能をもっており、脾胃気虚・生痰にも有効である。

効能
    補気健脾・理気化痰・利水消腫

適応症
    脾胃気虚の症候に、悪心・嘔吐・呑散・上腹部のつかえ・水様便、
    あるいは胸苦しい・咳嗽・痰が多い、あるいは浮腫などの痰湿の
    症候をともなうもの。舌質は淡白で胖大・舌苔は白厚膩・脈は滑弱。

臨床応用

     消化不良症・慢性胃腸炎・慢性気管支炎・気管支喘息の間歇期・
     慢性腎炎・ネフローゼ症候群・庭タンパク性浮腫その他の慢性疾患で、
     脾胃気虚・痰湿の症候を呈するもの。

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