当帰四逆加呉茱萸生姜湯
とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう

この漢方薬は、手足が冷え、冷えの為に血のめぐりが妨げられて起る諸症状に用います。
即ち冷えが原因で起こる下腹部痛、腰痛、しもやけ、頭痛などに本方が適用されます。

大棗5.0、桂皮3.0、細辛3.0 芍薬3.0、当帰3.0、甘草2.0 呉茱萸1.0、木通2.0、生姜1.0

当帰四逆湯に暖肝止痛の呉茱萸と脾胃を振奮させる生姜を加え、散寒を強めています。
血虚寒凝に対しては、耗血の恐れのある乾姜・附子などを用いたくないので、このような配合になっています。補血の当帰・芍薬で血脈を充養し、散寒通経の桂枝・細辛・当帰と通経脈の通草で寒凝を除き血脈を通じさせます。甘草・大棗は健脾を通じて他薬を補佐しています。呉茱萸・生姜は胃寒の嘔吐にも有効ですから、血虚寒凝で嘔吐・頭痛などを呈する場合にも使用できます。

効 能
    温経散寒・養血通脈

適応症
    血虚受寒
         寒冷によって生じます。四肢や下腹部の冷えと痛み・しびれあるいは
         しもやけなどで、舌質は淡白・舌苔は白で普段から栄養状態が悪く
         しびれなどを伴うものに多い。月経通・腹痛・嘔吐などをともなうものや
         冷えの強いものに用います。

臨床応用
      腰痛症・血栓性静脈炎・しもやけ・慢性関節リウマチ・慢性関節炎
      ・月経困難症・神経痛・胃十二指腸潰瘍などで、血虚と冷え・
      痛みのみられるものに使用します。

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