「癌発生のメカニズム」

　多くの人は、「自分は癌とは無縁」と考えています。しかし、どんなに健康な人でも毎日ガン細胞ができている、と聞けば驚くのではないでしょうか。最近の研究によると、私たちの体内では、１日に3000個〜6000個ほどの癌細胞が発生していると考えられています。しかし、癌細胞ができても、癌になるとは限りません。
　私たちの体は役60兆個細胞でできています。その細胞の一つ一つに核があり、核の中には、DNAという遺伝子がはいっています。一つのDNAには、図書館にも匹敵する程の情報が書き込まれています。その膨大な情報の中に、癌を発生させる遺伝子が潜んでいると考えられています。どんな元気な人も、癌になる危険性を秘めていると言えるのです。しかし、DNAの中には、癌遺伝子を眠らせておく「癌抑制遺伝子」が入っていて　細胞を保護しているため、容易に癌になるのを防いでいます。
ところが、眠っているはずの癌遺伝子が、何かの原因によって目覚めると、癌化がはじまってしまいます。この、「何かの原因」が、発癌物質です。