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菌類で、子嚢菌類バッカク菌科の冬虫夏草属に分類されています

 冬虫夏草は、現在、昆虫などから生ずるキノコを総称しています。
 菌類(真菌類)の分類は、「だれもが認める分類体系の設立までには至っていない」(元日本菌類学会会長・椿啓介氏)とされていますが、慣用的な呼称としては、子嚢(しのう)菌類(門または亜門)バッカク菌目バッカク菌科の一属(冬虫夏草属、またはノムシタケ属との呼称もある)に位置づけられています。
 養分を昆虫などから得て寄生生活をし、とりついた昆虫などの体内で、菌糸の固まりである菌核をかたちづくり、やがて虫の体を突き破って、キノコ(子実体)を生じます。
 キノコは、傘と柄のある担子菌類(門または亜門)のハラタケ目のようなイメージではなく、主に棒状で、その頭部や先端近くに、子嚢胞子を抱えた袋状の器官である子嚢果の集り、結実部があります。結実部を含めた子実体の形態には、「こん棒型」「タンポ型」「ミミカキ型」「ハナヤスリ型」などのいくつかのタイプがあります。
 子実体の長さは数ミリから数センチのものが多く、長いものでは、90センチという記録もあります。子実体の色彩はオレンジ色や紫、黄、茶など様々です。