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寄主は、主に昆虫やクモ。カブトムシから出ていれば新種発見です

 寄生する相手を寄主、ホストと呼びますが、寄主となる昆虫は、セミ、ハエ、カメムシ、トンボ、ハチ、アリなど様々です。昆虫以外にもクモ類やダニ類も寄主になります。また、ツチダンゴ菌にとりついて生ずるものもあり、昆虫生あるいは虫生と区別して「菌生冬虫夏草」と呼んでいます。
 さらに、果実に生ずるものなども冬虫夏草の仲間とされ、分類上の冬虫夏草属《Cordyceps(コルジセプス)属》に限らずバッカク菌科のいくつかの属を含め、そして、昆虫などを寄主としながら子嚢果を形成しないで、子実体表面に粉状か粘液質の分生胞子をつくる不完全型(菌)も加え、これらを総称して冬虫夏草と呼んでいます。
 冬虫夏草と総称される種は、学会未発表種を含め、世界的に少なくとも390種、このうち日本国内で約250種。国内約250種のうち日本特産種が約150種、外国との共通種約50種、学名の決まっていないもの約50種が確認されてるといわれてます。
 この全体像を熟知していた冬虫夏草研究の第一人者、清水大典氏は、まだ未記録の寄主例として「カブトムシ、クワガタ、カミキリムシそれぞれの成虫」などをあげ、それらの虫から不完全型ではない、子嚢果を生じた冬虫夏草が見つかれば、間違いなく新種としていました。