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中医学による便秘の診断と治療について

消化器の働きと排泄のしくみ」  「便秘の診断と治療


消化器の働きと排泄のしくみ


「便秘の原因 熱は胃の働きを乱す」

もともと栄養代謝が必要以上に行われやすいために体内の熱量が多かったり、酒を飲み過ぎる、辛くて味の濃いものばかり食べる、ストレスなどによってエネルギーのめぐりが悪くなるために、余分な熱が生まれる、熱性の強い薬を誤って常用するといったことが続くと、胃腸に熱が停滞して流れなくなります。そうすると、胃腸の水分が失われ、便が乾燥して腸の働きが乱れるために便秘が起こります。これを「熱秘(ねっぴ)」といいます。このほか、熱性の病気が治ったあとも腸の中に余った熱が残ったり、水液が不足するために肺が乾いて熱を帯び、その熱が肺と関係の深い大腸へ移るために熱秘が起こることもあります。
熱には、火ににて上のほうに行く性質があるため、口の渇きや口臭など、からだの上のほうに症状が現れます。また、舌は赤くなり、表面に黄色く乾燥した舌苔が現れます。
中医学では、からだの中に有害な物質(邪)があるために病気が起こっている状態を「実」といいます。熱秘は、熱という邪によって起こっているので「実」の便秘といえます。反対に、からだの正常な機能や物質が不足したために起こるのは「虚」の便秘です。

 


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