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中医学による便秘の診断と治療について

消化器の働きと排泄のしくみ」  「便秘の診断と治療


便秘の診断と治療


「コロコロ便の便秘」

熱によって起こる便秘のうち、特に脾約によって起こる便秘には、「麻 子 仁 丸」が効きます。麻 子 仁 丸(ましにんがん)は、「脾約丸」とも呼ばれ、熱を取り除くとともに腸に潤いを与え、便が正常に出るようにする薬です。
 中医学では、甘くて潤す性質をもつ生薬は脾の働きを助けると考えらています。また、苦い味の生薬は下降させる働きにすぐれ、縛られた脾の働きを解くと考えられています。したがって、甘い味をもつ麻子仁や杏仁、苦い味をもつ、枳実や厚朴を中心につくられた麻 子 仁 丸(ましにんがん)は、まさに脾約の便秘にぴったりといえます。
また、大黄は下剤としてよく使われますが、下す力が強いので、あまり長い間使っていると胃が冷たくなり、おなかが痛んだり、張るようになるおそれがあります。麻 子 仁 丸(ましにんがん)にも大黄が入っていますが、麻 子 仁 丸の場合、潤す働きがメインであって、熱を冷ます働きは補助的なので、下す力がおだやかです。特にお年寄りや産後の女性にみられる習慣性の便秘や、痔核の便秘などには、麻 子 仁 丸(ましにんがん)が最適です。脾約によって起こる便秘の最も特徴は、大便が乾いて兎の糞のようにコロコロになることです。


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