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中医学による便秘の診断と治療について

消化器の働きと排泄のしくみ」  「便秘の診断と治療


便秘の診断と治療


「「生命の源が」不足すると体が冷えて便秘が起こる」

年をとると、腎に蓄えられている生命エネルギーのもとが不足する(腎陽虚)ため、熱が不足してからだが冷え、肺によって送られた水液を温めることができなくなります。水液は尿となって失われるため、大便が出にくくなります。これが「冷秘」です。お年寄りにみられるのが特徴で、尿が透明で量が多い、寒冷をいやがり温熱を好む、手足が冷え、腰や背中が冷えて痛むといった症状を伴います。舌は、淡くボテッとした形になります。便秘の中で一番難しいのが、冷秘の治療です。この場合、腎を温めて水液の代謝を助けると同時に、腸を潤して便通をよくする八味丸を用います。場合によっては、「人参湯」が効くことがあります。冷秘のために胃の働きが逆流し、悪心や頭痛があるときは、「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」を用います。


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